✣ インマヌエル ✣
バプテストは教会暦をもちませんが、イースターやクリスマスには、他の教派の教会暦を用いることがあります。栗ヶ沢教会も毎年この時期に待降節(アドベント)の礼拝をささげ、アドベント4週目は、クリスマス礼拝として救い主イエスの誕生を喜び祝います。
待降節では、アドベントクランツに立てた4本のキャンドルに、毎週1本ずつ火を点し、少しずつあかりが増えていきます。4本のキャンドルは、「希望」「平和」「喜び」「愛」を表しているという説があり、今朝は、3本目のキャンドル「喜び」に火を点します。救い主としてお生まれになったみどりごイエスを見出した「喜び」です。イエス(救い)のもう一つの名は、「インマヌエル」(神は我々と共におられる)。聖書は、イエスを通して、神はいつもわたしたちと共におられるということを証ししています。
今日の合同礼拝で一緒に礼拝する子どもたちも、この時ここにいない子どもたちも、成長と共に出会っていくであろう様々な困難や悩みの中で、インマヌエルの神に気づいてほしい。そして子どもたちが教会につながり、教会が拠り所となっていくことができるように、子どもたちに伴走する教会でありたいと思います。子どもたちが、希望、平和、喜び、愛に生きることができるように願い、共にクリスマスを喜びましょう。
●12月13日 アドベント合同礼拝 週報巻頭言 牧師 村上 千代
✣ 神の救い、すべての人に ✣
先主日は、世界バプテスト祈祷週間の始まりでしたが、アドベント(待降節)の始まりでもありました。今朝は、第二アドベント礼拝を捧げます。アドベントは「到来」を意味するラテン語に由来し、クリスマス前の4番目の日曜日から始まる期間で「降臨節」とも呼ばれます。キリストの第1の到来であるクリスマスを準備するだけでなく、第2の到来である再臨にも心を向ける期待と喜びの期間です(『岩波キリスト教辞典』より)。教会は、アドベントの期間、イエスの誕生を待ち望み、クリスマスへと向かう礼拝を捧げます。
今年は、コロナのために、教会の活動に制限があり、アドベントも特別な思いの中にあります。いつになったらコロナが終息するのだろうか。私たちは、その時がはっきりしない中で、「待つ」ということのしんどさに疲れをおぼえます。そして、一刻も早くコロナから解放されたいと願う日々の中で、救い主の到来を切に待ち望み、祈り続けたイスラエルの人々の信仰に思いを馳せるのです。
私たちには、聖書の言葉を通して、すでにイエスの十字架による救いを知らされています。今、コロナで世界中が混乱していますが、私たちは、この苦難のただ中に神がおられ、主が私たちの重荷や苦しみを共に担ってくださっているという希望に心を向け、この時を過ごしたいと思います。
●12月6日 第二アドベント礼拝 週報巻頭言 牧師 村上 千代
✣ 世界バプテスト祈祷週間 ✣
ロティ・ムーンの中国伝道を支えた米国南部バプテストの女性たちの起こしたロティ・ムーン・クリスマス献金に込められた祈りを受け継ぎ、1931年に、日本バプテスト女性連合(以下、女性連合)の源である婦人会同盟によって開始され、その後もバプテスト女性たちの中心的活動として継承されてきました。期間は11月最後の日曜日から12月最初の日曜日までとし、献金目標額と用途などは総会の決議によって定められます。
女性連合はその推進母体であり、各女性会は、教会・伝道所の働きの中で祈りと献金を推進し、女性連合が祈りと幻をもって取り組んでいる世界宣教の働きのためにささげます。全国からささげられた献金の多くは日本バプテスト連盟国外伝道に、また、国内伝道にも用いられています。
現在、主から召命を受けて、野口日宇満・野口佳奈両宣教師(インドネシア)、嶋田和幸・嶋田薫両宣教師(カンボジア)、伊藤世里江先生(シンガポール)、佐々木和之先生(ルワンダ)が、それぞれの場で福音宣教の働きを担ってくださっています。各地に遣わされた働き人が、これからも遣わされた場所でキリストの福音を分かち合い、人々と共に生きるために、送り出した私たちは、それぞれの働きをおぼえて、祈りと献金で支えてまいりましょう。
●11月29日 世界祈祷週間礼拝 週報巻頭言 教会員 H.T.
✣ コヘレトからのエール ✣
「太陽の下、人は労苦するが/すべての労苦も何になろう」(コヘレトの言葉1:3)。
この問いは、現代のわたしたちに向けられた問いでもあると言えます。最近、働き方改革ということをよく聞きますが、それを実現できるのはほんの一部の人たちでしかなく、むしろ多くは、人件費削減で人員が減らされ、一人あたりの仕事量は増えているのが現実ではないでしょうか。そして、子どももおとなも、何かしら忙しい日々の中でゆとりをなくし、大切なものを失っているように思います。コヘレトの問いは、経済優先、効率主義、組織至上主義など、そして命の軽視の問題が深刻な日本社会への痛烈な批判とも受け取れます。人間性の回復が求められます。
「光は快く、太陽を見るのは楽しい」(11:7)。私たちの日常生活において覚えていたいことです。コヘレトは、創造主である神が、わたしたちに与えてくださっている命を尊び、子どももおとなも、喜び、楽しむ機会が与えられている時に、「喜び、楽しみなさい」と勧めます。神が与えてくださっている人生には、悲しみや苦しみがあり、空しさや無力を感じること、失望することもあります。しかし、それもまた「大切な信仰の体験」として、この人生を受け入れ、「今日を生きよ」と、コヘレトの言葉は、私たちを励ましているのではないでしょうか。
●11月22日 週報巻頭言 牧師 村上 千代
✣ 人生の一番若い日 ✣
「若者よ、お前の若さを喜ぶがよい。青年時代を楽しく過ごせ。心にかなう道を、目に映るところに従って行け」(コヘレトの言葉11:9前半)。
「自分探し」という言葉があります。自分は何が好きで何が得意なのか、どんな仕事が自分に向いているのか、自分の人生においてだいじなものは何か、といったことに悩み、本当の自分を見つけようとすることです。青年時代は、そのように悩むことの多い時代です。悩むことはだいじなことで、コヘレトはそれを否定しません。しかし、若さも青春も「空」で、やがて過ぎ去ります。だからこそ、青年時代の若さを喜び、楽しみ、自分の心に適う道を歩めと励ますのです。
「青春の日々にこそ、お前の創造主に心を留めよ」(同上 12:1前半)。自分が神に造られた者であることを知ることは、やがて老いて死を迎えることを知ることです。この地上での生が終わる時から今を見ると、わたしたちは、今日が自分の人生の最も若い日であることに気づかされます。年齢にかかわらず、すべての年代の者にとって、今日という日が、人生で一番若い日なのです。わたしの若い日に、創造主に心を留めること、それは、今日から始まるこれからの日々を、神に造られた者としてどう生きるのかを自らに問い、神に与えられた一日一日を感謝し、大切にすることではないでしょうか。
●11月15日 週報巻頭言 牧師 村上 千代