✣ 3・11をおぼえて ✣
3月11日、東日本大震災発生から10年を迎えます。今年も、東日本大震災現地支援委員会から祈りの言葉が届きました。ともすれば、「被災地」のことが遠くなってしまう私たちですが、現地から発信される祈りによって、鈍くなった心が目覚めさせられます。
「…コロナウイルス感染症の影響の中、緊張した一年を歩んできましたが、2011年3月に発令された原子力緊急事態宣言は未だ解除されていないことも忘れてはいけません。これからも放射性物質による汚染と健康被害の恐れは続きます。私たちは引き続き目を覚ましつつ、祈りを合わせていきたいと思います。また、2021年2月13日には、震度6強の福島沖地震が発生しました。この地震は、東日本大震災の余震であると言われており、震災が今も続いていることにショックを受けました。東日本大震災からの10年を思い巡らしている時期の大地震だっただけに、精神的なダメージは計り知れません。…また近いうちに東日本大震災レベルの地震が発生するのではないかと不安な毎日を過ごしています。ぜひ、主の守りがありますようにお祈りください。」(現地支援委員会委員長 金丸真)
本日、お手元に「東日本大震災から10年を数えての祈り」を配布しています。苦難の中で悲しみ、痛んでいる人たちをおぼえ、共に祈りを合わせたいと思います。
●3月7日 週報巻頭言 牧師 村上 千代
✣ 十字架の建つ幕屋的つながり ✣
自分は、学生時代、小池辰雄先生主宰の「武蔵野幕屋」から教会通いを開始しました。
ある日、小池先生に、教会と同じ礼拝をお捧げしているのに「幕屋」と命名されたのはどうしてですかとお尋ねしました所、先生はお手元から、十字架を組み入れた手作りの幕屋の模型を出され、次のように説明して下さいました。普通の幕屋(テント)は、地上に支柱を立て、その頂点が地上の複数の支点と結ばれ、テントが構成されているが、ここの幕屋は地上の中心に十字架(主イエスの象徴)が立ち、その頂点が多数の信徒と結ばれ幕屋が形成されている。そして地上の各信徒は、夫々十字架を見上げ、更にその先の天を仰ぎ、天からのお導きを、十字架を通して頂いている。また地上の信徒間は、勿論、直接自由に関わりを持つことが出来るが、出来れば十字架を通しての交わりが叶えばそれが望ましいと言うご説明を先生から頂きました。私達の栗ヶ沢教会もこの4月からいよいよ無牧師となります。しかしその無牧師の期間がどの位続くかわかりませんので、それを克服する工夫が必要となりましょう。その一つの工夫として、出来れば精神的には十字架の支柱を持つ幕屋的な、教会員のつながりをしっかり持って無牧の試練を乗り切って行くことも考えられるのではないでしょうか。
●2月28日 週報巻頭言 教会員 S.S.
✣ イエスについていく ✣
今日は、嬉しいことが二つあります。一つは、かねてから教会に来られていた方の信仰告白とバプテスマ式、もう一つは、栗ヶ沢教会に連なるご家庭に与えられた幼な子の祝福式です。二つの新しい命を喜んでいます。
礼拝において、イエスを自らの救い主と告白し、バプテスマを受ける方は、神によって新しく創造された者として、これからの人生を歩み出します。「だから、キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。古いものは過ぎ去り、新しいものが生じた」(コリント 二 5:17、新共同訳)。そして、これらはすべて神から出ることであると続けて語られています。一人の人が、教会と出会い、聖書に証しされたイエス・キリストの十字架と復活の出来事を通して神の愛にふれ、キリストの恵みによって生きる人生の決断に至ったのは、聖霊として働かれる神の導きに他なりません。これからも、聖霊なる神が、信仰の歩みを導いてくださるようにと祈ります。そして、新しい方を群れに加えてくださる主に感謝し、迎える私たちも自らの信仰を省み、主によって新しくされて共に教会をつくっていきたいと思います。
また、教会に連なるご家庭に与えられた新しい命が、神のかけがえのない一人の人間として育まれていくことを教会は願い、幼な子と共に歩んでいきたいと思います。
●2月21日 週報巻頭言 牧師 村上 千代
✣ 問い、問われる ✣
昨年の元旦礼拝で、某新聞の社説「誰も置き去りにしない」を取り上げました。SDGs17の目標を2030年までに解決するために、2020年代の10年間をどう生きるのか、それが私たちの課題だと述べられていました。
SDGs(持続可能な開発目標)は、「未来の世界をより良くするために、今世の中にある課題を世界中の全員で協力して、解決していこう」ということです。1. 貧困をなくそう、2. 飢餓をゼロに、3. すべての人に健康と福祉を、4. 質の高い教育をみんなに、5. ジェンダー平等を実現しよう、6. 安全な水とトイレをみんなに、7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに、8. 働きがいも経済成長も、9. 産業と技術革新の基盤をつくろう、10. 人や国の不平等をなくそう、11. 住み続けられるまちづくりを、12. つくる責任つかう責任、13. 気候変動に具体的な対策を、14. 海の豊かさを守ろう、15. 陸の豊かさを守ろう、16. 平和と公正をすべての人に、17. パートナーシップで目標を達成しよう。これらのことは、キリストの福音に生きる教会としても共に考えていきたいことだとお話ししました。そしてまさかの新型コロナです。
見えないコロナに脅かされ、生活が根底から揺さぶられる出来事に遭遇し、なぜ今こんなことがと問う私たちに、自らの生き方を考えよ、と問う主の声を聴きます。
●2月14日 週報巻頭言 牧師 村上 千代
✣ 信教の自由を守る日 ✣
2月11日は、「建国記念の日」と呼ばれる祝日ですが、日本のキリスト教会は、この日を「信教の自由を守る日」としています。太平洋戦争敗戦まで、この日は「紀元節」と呼ばれ、神武天皇即位を祝う日とされていました。戦後、「紀元節」はなくなりましたが、1966年12月9日に、政令で2月11日が「建国記念の日」と定められ、実質的に「紀元節」が復活しました。キリスト教会は、戦前戦中に天皇制国家体制に迎合し、協力した反省と、日本国憲法が保障する政教分離の原則に立って、信教の自由を訴え続けています。
コロナ危機の中、昨年半ばに、日本宗教連盟が政府に対し、「持続化給付金」「雇用調整助成金」の対象に宗教法人や宗教団体を含めるようにとの要請を行いました。宗教法人や宗教団体に公金を支出することは、重大な憲法違反行為です。「たとえ感染症拡大のような危機を理由にしても、政教分離原則が無視され、宗教法人や宗教団体の自主独立性が侵されることがあってはなりません」。連盟理事会は、宗教団体が自ら政教分離に反することを行おうとする姿勢に対し、断固抗議しました。私たちは、苦しい中で、誘惑に陥ってしまう弱さを抱えています。だからこそ周りで起こる出来事を冷静に見て、主の言葉を聴き、自らの立つべきところを確認していかなければならないと思っています。
●2月7日 週報巻頭言 牧師 村上 千代