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イエスの時代のユダヤ社会では、子どもの結婚相手は父親が決めるのが一般的でした。本日のマタイ福音書でも、「母マリアはヨセフと婚約していた」とありますが、このときマリアは10代の半ばくらいだったと思われます。婚約はしていても、同居生活をしていたわけではありません。同居生活が始まるのは、結婚式の後からでした。ただ、婚約という事柄をもって、二人は正式な夫婦であると見なされました。
ところが、「二人が一緒になる前に」マリアは聖霊によって身ごもっていることが明らかになります。ヨセフは驚いたことでしょう。当然、マリアの不貞を疑ったことと思われます。ヨセフは「正しい人」だったので、マリアのことを表ざたにするのを避けて、ひそかに離縁することを決意するのです。
ところが、そのとき主の使いが夢に現れて「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい」と語り告げます。ヨセフは、この主の使いの言葉をどのように聞いたのか、そのヨセフの気持ちを推測しながら、本日の箇所を共に読みます。
●12月18日 大人と子どものアドベント合同礼拝 週報巻頭言 牧師 木村 一充
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「来(きた)るべき方は、あなたでしょうか。それとも、ほかの方を待たなければなりませんか」これは、牢獄の中に入れられたバプテスマのヨハネの問いかけです。
獄中にあるヨハネのもとには、ナザレのイエスの噂が、漏れ聞こえていました。その際に、これまで自分が信じてきたことと、今自分が経験していることとの間に大きな「ギャップ」を、ヨハネは感じていました。イエスが真のメシアであり、その方が来られているのであれば、すべての問題は解決してよいはずです。あらゆる悩みから解き放たれ、自らの涙は拭われてよいはずでした。ところが、そう信じてきた自分は、今「牢獄の中」にいるのです。
なぜ、キリストの先駆者である自分がこのように獄中で苦しまなければならないのか。自分の信仰は本当に正しかったのだろうか。このまま、イエスをキリストと信じ続け、キリストに賭けて生きていってよいのだろうか。そのような迷いと疑いの中で、ヨハネはイエスのもとに使いを送りました。そして冒頭の質問を投げかけたのです。いったい、イエスはどのような意味で「キリスト」(=救い主、メシア)なのでしょうか。本日は、この問いに答えるかたちで聖書から、聞いてゆきます。
●12月11日 第3アドベント礼拝 週報巻頭言 牧師 木村 一充
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「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。この名は、『神は我々と共におられる』という意味である。」イエス・キリストの誕生をめぐるこのイザヤの預言の言葉が、マタイ福音書1章に引用されています。福音書記者マタイは、イエスの誕生の出来事が旧約の預言の成就であると考えているのです。
預言者イザヤが、この預言の言葉を語ったのは、ユダの王国がアッシリアの攻撃を受ける前、北王国とシリアとの連合軍にエルサレムを包囲されるという危機に直面した時のことでした。イザヤは、アハズ王に向かって、次の神の言葉を取り次ぎます。「落ち着いて、静かにしていなさい」さらに、イザヤはアハズ王に向かって言います。「主なるあなたの神に、しるしを求めよ」と。危機の時代に生きる指導者に必要なことは、神の言葉により頼み、神にしるしを求めることだと助言したのです。しかし、アハズ王はこれを拒みました。
人間の策略や知恵で、天下の大事を乗り越えることはできません。むしろ、それは国を滅ぼす結果に繋がります。現代世界における混迷と戦争が、神の言葉を無視するところから来ていることを思わされるのです。
●12月 4日 第2アドベント礼拝 週報巻頭言 牧師 木村 一充
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アドベントという言葉は、ラテン語のAdventus(「到来、接近」の意)から来た教会の暦の上での用語で、日本語では「待降節」あるいは「降臨節」と訳されます。イエス・キリストのご誕生を待ち望む期間として、西方教会(ローマカトリックおよびプロテスタントの諸教会)で広く採用され、期間は、クリスマスの4週前の日曜日から12月24日までとされています。
具体的に言うと、アドベントは11月30日に最も近い日曜日から始まります。最も早い年は11月27日から始まり(今年がそうです)、もっとも遅い年では12月3日から始まります。毎年の12月25日の該当曜日に影響を受けますから、アドベントの日数は、最大で6日間の差が生じます。今年は、日数が最も多い年になります。
アドベントの季節に合わせて、バプテスト女性連合では「世界バプテスト祈祷週間」を設けています。ロティ・ムーンという女性宣教師の遺志を受け継ぎ、世界伝道の働きを特別に心に刻み、献金をささげる1週間を過ごします。神さまが独り子なるイエスさまを下さったようにわたしたちも宣教師の働きのために祈りと献金をささげましょう。
●11月27日 第1アドベント・世界祈祷週間礼拝 週報巻頭言 牧師 木村 一充
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旧約聖書の「ルツ記」に記される出来事が起こったのは、士師の時代です。ユダのベツレヘム出身者であるエリメレクは、飢饉を避けるため妻ナオミと二人の息子を伴って、モアブの地に移り住みました。モアブとは、死海の東南部に広がる地域です。その後、エリメレクは妻ナオミを残して死んでしまいます。さらに、二人の息子たちも、それぞれの妻オルパとルツをめとりますが、二人とも妻を残したまま死んでしまうのです。
そこで、ナオミは夫の故郷ユダに帰ることを決意し、息子たちの寡婦となった二人の嫁に対し、それぞれの故郷に帰るようすすめました。オルパは、自分の故郷に帰りますが、ルツだけはナオミのそばにいることを望みます。こうして二人は、エリメレクの故郷、ベツレヘムに帰郷するのです。
この物語のポイントは、異邦人であり かつ寡婦という弱い立場の女性ルツが、ユダヤの律法に従い、ユダヤ人の子孫を残したというところにあります。しかも、そのルツの子孫から、ダビデ王とイエス・キリストが出ることになるのです。
●11月20日 週報巻頭言 牧師 木村 一充