メッセージ : 創造と祝福
【創造と祝福】
宗教改革者マルティン・ルターにこんな質問をした人がいました。「神は、世界を創造される前にはいったい何をしていたのか?」。ルターは答えたそうです。「そのような無用の質問をする者たちのために鞭をこしらえておられた」と。
この返答の意味は、単に質問者を撃退することにあったのではありません。神が恵み深い創造主だと認められないなら、人間は怒りと苦しみの人生を生きるしかなく、死をもって虚無に落ちてしまうしかないという人間の生命の本質を言いあてたのです。
はじめの前には何があったのか。そのまたはじめの前には何があったのか。人間の思いは、決して「はじめ」に到達することができません。人間は実のところ「はじめ」を手にすることができないのです。聖書の書き出しの「はじめに」は原語では“ベリーシース”。「根源において」という意味の「はじめに」です。単に時間的な意味合いだけではなく存在の根拠、「なにゆえに」とも置き換えられる「はじめ」です。そして、私たち生命にはみな、存在の根源と根拠があります。それが、神の言です。
●5月1日巻頭言 聖書・創世記1章 吉高 叶
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