メッセージ : 壺を割る時
【壺を割る時】
「こんな時に、そんなことするべきじゃない。」そこにいた誰もが彼女を叱責した。
彼女がとつぜん香油の壺を割ってイエスにふりかけたからだ。部屋いっぱいに甘い香りがたちこめた。が、帰ってきたのは男たちの怒号。「もったいない!」「他に使い道があるだろ!」・・・
彼女は、もったいないと思わなかったから壺を割った。その香油は、彼女が人に言えないような苦労を忍んで蓄えてきた人生の闘いの証。これからも自力で生きていくための拠り所。きっと彼女の全身の力が詰まった壺だったに違いない。
でも、彼女はそれを、もうもったいないと思わなかった。主イエスの声を聞いたから。この人のまなざしに接したから。「他に使い道を考えてみろ」と怒鳴られた。でも、今の彼女には、主イエスの前で、自分を必死に支えてきた心の力を抜き、もう自分を明け渡し、感謝と喜びをあらわすことだけが、唯一思いついた自分自身の使い道だった。
十字架の時が迫る中、主イエスは人々の怒りの中に呼びかける。「彼女の献げ物は、いつまでもわたしの死の記念となるだろう」と。
●マルコ福音書14:3-9 4/17週報巻頭言より 吉高 叶
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