✣ 平和があるように ✣
平和は、一般的には戦争がないという意味で用いられます。しかしそれだけでなく、宗教的伝統の中では「無事平穏という消極的な意味や内面的平静という現世的個人的な意味」「宗教的社会的生活の安寧や繁栄、正義の成就や勝利といった積極的な価値」をも意味します(岩波キリスト教辞典)。シャロームです。
今日の聖書箇所は、イエスが十字架で殺された後、迫害を恐れた弟子たちが、家の戸に鍵をかけて潜んでいたところに、復活のイエスが現れたというお話です。恐れと不安で、ビクビクしていた弟子たちに、復活したイエスが来られて真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われ、手とわき腹をお見せになったと語られています。
自分たちを脅かすものへの恐れや不安があり、自らの罪に苦しみ痛んでいる弟子たちに、復活の主が、「平和があるように」と言われたのです。十字架に釘さされた手の傷、槍で突かれたわき腹の傷をもったままで。
十字架で平和を実現してくださった主が、今、新型コロナウイルスに脅え、苦悩する私たちの真ん中に立ち、傷をもったまま、「平和があるように」と言ってくださるのです。ウイルスは怖いです。感染防止のために最大限の努力をしつつ、主がこの苦難を共に担ってくださっていることをおぼえて、この時を共に乗り越えていきましょう。
●4月19日 週報巻頭言 牧師 村上 千代
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