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メッセージ : 八方ふさがり。開く天の窓。
投稿者 : webmaster 投稿日時: 2010-07-11 11:24:36 (1841 ヒット)

             【八方ふさがり。開く天の窓。】
 詩篇3編は、八方ふさがりの中で為したダビデの祈りです。イスラエル史の中にあって、もっとも傑出し、尊敬されてきたダビデ王ですが、この祈りの時には、崖っぷちの中にありました。
 王位剥奪を狙う息子アブサロムの陰謀により、ダビデ家臣が次々と寝返り、友人たちもダビデを離れていきました。孤立するダビデを、アブサロム軍が満を持して襲いかかります。かろうじて王宮を脱出したダビデが、逃亡の道すがらに祈った祈りが、この詩篇3編。岩陰に隠れ、森の茂みに身を隠し、無念と空しさと恐怖に囲まれながら、ダビデは、主に顔を挙げて「あなたは私を囲む盾」と祈ります。実際には、敵に囲まれていながら、「しかし、私は主に囲まれているのだ」と信じる祈り。八方ふさがりの中で、ダビデには「天の窓」が開いています。
 「人間」をギリシャ語でアンスローポス(上を見上げる者の意)と言います。主を見上げることが真の人間らしさだとすれば、それは快進撃の道のり中からではなく、八方ふさがりの中から産まれ出ずるものなのかも知れません。
              ●7月11日週報巻頭言 吉高 叶


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