✣ 赤い竜の幻 ✣
神の僕ヨハネ(黙1:1)は、エーゲ海に浮かぶパトモス島に監禁されていました。苦難の中で、彼は心を静めて“神の言葉”に耳を傾けます。この時、彼は、「神さま、なぜ私はこんなひどい仕打ちを受けなければならないのか…」とは祈らなかった、と私は想像します。なぜなら、彼は神の僕です。むしろ、「神さま、お話しください。僕は聞いています(サムエル上3:10)」と祈ったのではないかと考えます。神は彼の祈りに答えて、“特別な幻”を見せました。その幻は1世紀末の七つの教会の人々だけでなく、時間空間を超えて地上のすべての教会の人々(神の僕)へ“希望と忍耐”を伝えるメッセージとなり、今へ至っています。
黙示録12章は“子を産む女”と“赤い竜”の幻の描写です。前者は「当時の教会」を、後者は「ローマ帝国」を象徴します。天上の戦いでは、女は天使に守られ、竜は戦いに敗れて地上へ投げ落とされます。礼拝する人々(教会)は守られるが、悪の勢力(自ら神と称し、神に敵対する者)は容赦なく裁かれると記されています。しかし喜ぶのは早計です。七つの教会の人々は、今は地上にいます。地上に落とされた“竜”はまだ滅ぼされていません。神が地上の教会の人々を守る場所は“荒れ野”(12:14)。神以外に頼る手立ての無い所です。かつてのイスラエルの民の歩みが重なります。
●5月1日 週報巻頭言 山田 幸男
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