✣ 小羊の血と白い衣 ✣
『ヨハネの黙示録』は新約聖書27巻の一つで立派な正典です。しかし独特な表現が多いので、福音書や書簡のように気軽に読めません。信仰の先輩方は、読みにくい正典をどう読み解いたのでしょうか。これまでに4通りの読み方がなされたようです。
1) 過去主義から読む
…黙示録の内容は、これが記された時代(1世紀)だけの事で、ローマ帝国と教会の激闘を描くとする説。この読み方は黙示録の預言的部分が欠落する。
2) 歴史主義から読む
…使徒時代から世の終わりに至るまで、教会が歩む全過程を示すとする説。しかし、解説者によって解釈が違うので、偏った歴史観に陥る危険を含む。
3) 未来主義から読む
…4章以降が歴史の終末を語ることに注目し、患難期から千年王国へ、更に最後の審判、新天新地へと終末への流れを把握する説。これは預言的信仰に立つものの、七つの教会(1-3章)の現実的課題への見解は置き去りにされている。
4) 理想主義から読む
…いつの時代にも起こり得る「悪の勢力と教会との闘い」を象徴的に語るとする説。神の統治原理が明らかにされ、信仰的に生きることを強調する。これはよく好まれる読み方だが、黙示録の預言的、歴史的な読み取りは希薄になる。
さて、私たちは『黙示録』をどう読むか? もちろん自由です。ただし「御言葉が心に響く」読み方にこだわります。
●4月24日 週報巻頭言 山田 幸男
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