✣ 未来に目を向けて ✣
中世の神学者アウグスティヌスが刺激的なことを言っています。
「人間は神のためにつくられているので、人間の心は、神のもとに憩(いこ)うまで満足を得られない。」
これを聞いた人は反論するでしょう。
「生きている間に満足を得られないなら早く死んでしまった方がよい。」
もし山田牧師がそのように語る人の横にいたら、「そのとおりです」と申し上げます。誤解しないでください。「肉体の死」ではなく、「自我の死」を問題にしているのです。傲慢、怠慢、自己中心、こういう生き方とは早く決別しなさい、と言いたいのです。
聖書は、人がつまらない人生を過ごさないように、「自我に死ぬ」ことを繰り返し勧めています。高齢になってから、「人生には喜びがない」と絶望しないように、「愚かな生き方」は早く捨てよ、というのです。
私が子どもの頃(昭和時代)、「ばかは死ななきゃ治らない」という流行(はやり)ことばがありました。信仰を得て、これが聖書の精神に通じることを知りました。人は古い自分に死んで、初めて新しい自分になれる。聖書が教える「死」は、“復活”につながるプロセスです。「死」で終わらない。聖書の世界には次がある。キリストは“復活の初穂”です。これを信じる人は、未来に目を向け、神の平安を知るのです。
●4月3日 週報巻頭言 山田 幸男
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