✣ 聞くと言ったのに ✣
ついにエルサレム陥落のときが来ました(前587年、或いは586年)。南ユダ王国の人々は、一部の貧しい民を残し、バビロン帝国へ捕囚民として移送されます。このとき、預言者エレミヤも一緒に連行されました。
ところが、バビロン王ネブカドレツァルは側近にエレミヤの鎖を解くように命じます。王はエレミヤを親バビロン派の預言者とみていました。また、廃墟となったエルサレムとユダの地復興のために、バビロン王からユダ総督に任命されたゲダルヤも、親バビロン派の捕囚民とみなされていました。総督ゲダルヤはユダの地に残った貧しい同胞と共に生活復興に努めます。鎖を解かれたエレミヤは、バビロンへ行って特別待遇を受けることもできたのですが、敢えてユダの地に残った同胞と共に生きることを選びます。彼は最後まで、「不信仰な神の民」のために、神によって派遣された預言者であり続けました。総督ゲダルヤと預言者エレミヤに支えられたユダの地の復興活動が始まると、荒れ野から戻って来た敗残兵たちが(彼らは反バビロン派=親エジプト派)がクーデターを起こし、ゲダルヤを暗殺してしまいます。
この騒動はバビロン王の知る所となり、王の怒りを恐れた者たちは、エレミヤに神さまから祝福される道を示して欲しいと懇願します。が、エレミヤが示した神の声は、彼らの思いとは違っていました。
●11月29日 週報巻頭言 山田 幸男
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