メッセージ : ピスガの山頂
【ピスガの山頂】申命記34:1−12
卓越した預言者であり、指導者であったモーセ。彼は人生の完結の時を迎え、ピスガ山の山頂に立ち、イスラエルの民がこれから進んでいく「約束の地」を見渡しています。眼下に広がる平地と、おびただしい数の民とは、まさにアブラハムが聴き、イサク、ヤコブへと受け継がれた夢の成就でした。
モーセ自身は、その約束の地に入ることを許されませんでしたが、彼はその目で、主の約束の確かさを見たのでした。それは、モーセ自身が、これまでの人生の意味を味わう至福の時であったでしょう。と同時に、彼モーセは、自分自身が帰るべき真の故郷をも見たのだと思います。
約束を見、神の恩寵を見、歴史を見、未来を見、人生を見、天の故郷を見る。それが、ピスガ山頂からの眺望でした。
わたしたち一人ひとりの人生にも、やがてピスガの山頂に立たせていただく日が訪れます。十分にいただいた人生の道を思い、と同時に、まだ手に入れていなくても、それを受け継ぐ未来へと夢をつなぎ、帰るべき天の故郷を鮮明に見ることのできる、そんなピスガ山頂の時に向かって、今日も歩んでいるのです。
●10月16日週報巻頭言 吉高 叶
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