メッセージ : しがみつく信仰
【しがみつく信仰】
辛抱につぐ辛抱。叔父ラバンのもとでヤコブは20年がんばります。逆境を逆手にとって、自分の家族と家畜とを増やしていきます。ラバンの娘たちを妻にしましたから、このまま更に辛抱すれば、やがては族長になれるかもしれません。
けれども、ヤコブの心を捕らえ続けているのは、父イサクの祝福です。そして石の枕の夢で聴いた「あなたを必ず連れ帰る」という神の約束です。祝福とは、ハランで安定することではない。ハランから、神の約束に向かって出発することだ。ヤコブは意を決して、かつて父母や兄と暮らしたカナン地方へと旅立つことにしたのでした。
ただ、どうにも気がかりなのが、兄エサウの自分への憎悪のことです。かつて長子の祝福を横取りした自分を、兄は赦してくれるだろうか。受け入れてくれるだろうか。それを思うと、どうにも二の足を踏み、歩みが進まないのです。
その夜、ヤコブは神の使いと格闘します。ヤコブはくらいつきます。「帰らせてくれ! 赦しを与えてくれ!」しがみつき、がむしゃらに願うのです。
そんな闘いの闇夜に、次第に陽が昇ります。嬉しいことに、祝福と赦しの新しい朝が彼を迎えてくれたのです。
●8月7日週報巻頭言 吉高 叶
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