
栗ヶ沢バプテスト教会発行
Vol. 18 2018年12月号
「本当のクリスマス」
クリスマスおめでとうございます!
街では商業ベースのクリスマスが賑やかです。キラキラと輝くイルミネーション、そしてどの店もクリスマス一色といった感じです。クリスマスケーキやおいしいごちそうを食べてプレゼントをもらうクリスマスは、文化として日本に定着してきました。でも、クリスマスは、救い主イエスの誕生を祝う時、それも十字架へと向かうイエスの誕生を祝う時なのです。そしてクリスマスのプレゼント交換には、神からのもっとも大いなる贈り物であるイエス・キリストを覚えて、互いに贈り物を交換するという意味があります。
「暗き夜にみ子生まれたもう、羊飼いみ告げを受けぬ、はじめのことば、いのちのことば、光のことば、闇に輝く、暗き夜にみ子生まれたもう」(日本バプテスト連盟発行『新生讃美歌』179番「暗き夜に」)。
この讃美歌の歌詞にあるように、み子イエスは、希望が見えない現実、暗闇が覆っているような現実のただ中にお生まれになりました。しかも、生まれた場所は家畜小屋でした。身重のマリアと夫のヨセフを泊めてくれるところがどこにもなかったからです。赤ちゃんのイエスは、汚れや臭いのある場所で、飼い葉おけの中に寝かされていました。そして救い主誕生の知らせが最初に告げられたのは、当時、最も身分の低い貧しい人々として蔑まれていた羊飼いたちだったのです。救い主は、人間の苦しみ、悲しみ、弱さ、貧しさの中に来てくださるのだということが、イエスの誕生物語の示すところです。ここにこそ神の愛があります。
栗ヶ沢教会では、12月23日(日)にクリスマス礼拝、24日(月)にクリスマス・イブ礼拝をささげ、救い主イエスの誕生をお祝いします。文化としてのクリスマスではなく、本当のクリスマスを教会で一緒にお祝いしませんか。皆さまぜひご出席ください。歓迎いたします。
牧師 村上 千代

NHK大河ドラマ「西郷どん」の主人公
西郷隆盛 ― その愛とゆるしの生涯
今、大河ドラマ「西郷どん」が大きな話題になっています。
今年は、明治維新150年ということで、その近代の改革に大きな力になった西郷隆盛にも関心が高まっているようです。
このたび、栗ヶ沢バプテスト教会では、話題の本「西郷隆盛と聖書」(フォレストブックス)の著者である守部喜雅氏をお迎えし、真実の西郷隆盛について講演をしていただくことになりました。
講師の守部氏は、これまでに、「聖書を読んだサムライたち」「勝海舟・最後の告白」「竜馬の夢」「サムライウーマン新島八重」「天を想う生涯・黒田官兵衛と高山右近」などの本を出してきましたが、いずれもが、大河ドラマの主人公として、テレビ放映された人物です。特に、坂本龍馬、勝海舟、そして西郷隆盛についての本は、それぞれの内面性や精神性に鋭く迫る内容のものでした。
守部氏は、講演に先立って次のように語っています。
「“西郷隆盛と聖書”は、あの大西郷と言われた人物が、自殺未遂をする場面から物語は始まります。それは、西郷の光の部分を描くだけでなく、1人の人間として、その心に闇を抱えていたという事実を明らかにし、その闇にどのように打ち勝っていったかという真実を知って欲しかったからです。
“人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして、己を尽くし人をとがめず、我が誠の足らざるを尋ぬべし”
これは、西郷さんの言葉です。ここで、西郷さんは、“天を相手にせよ”と繰り返し述べています。また、西郷さんの言葉に次のようなものがあります。
“天は人も我も同一に愛したもうゆえ、我が愛する心を以って人を愛するなり”。
“天”という言葉は、西郷さんが信奉した陽明学にも出てきますが、“天がすべての人を愛している”という教えは、西郷さんが、漢訳聖書を熟読した結果、遂に発見した真理だったのです。」