礼拝説教「神の前に富む」 ルカによる福音書(Luke) 12: 13-21
週報巻頭言「神の前に富む」
ルカによる福音書12章13節以下にはイエスの前に、遺産相続の調停を頼みに来た一人のユダヤ人とイエスとの対話の様子が描かれています。この人は、兄弟と円満に相続問題を片づけることができずに困っていました。そこで、その解決のためにユダヤの教師(ラビ)であったイエスのもとに相談にきたのです。
これを聞いてイエスは言われました。「だれがわたしを、あなたがたの裁判人や調停人に任命したのか」と。つまり、イエスの第一の関心事は、神の国のことであって、この世の民事的な紛争についてラビとして深く関わることはしないと言われるのです。
主イエスの一番の関心事は、何よりも「いのち」の問題でありました。原文には「魂」を意味する「プシュケー」という言葉が何度も登場しますが、これは「いのち」とも訳せる言葉です。魂が平安でないところで、どれほど地上の富、お金を持とうと、それは「愚かなこと」(20節)だとイエスは言われるのです。今朝は、ここから響いてくる神の国のメッセージに耳を傾けたいと思います。
●8月24日 週報巻頭言 牧師 木村一充
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