礼拝説教「平和を作り出す者」 マタイによる福音書(Matthew) 5: 9
週報巻頭言「平和祈念礼拝」
本日のマタイによる福音書5章1節以下は、いわゆる「山上の説教」としてよく知られている箇所で、ここでは主イエスの祝福の言葉(「幸いなるかな」)が、8通りの人々に向けて語られています。
本日の9節は、その一つである「平和を実現する人々」に対する祝福が語られているところです。それまでの6つは形容詞で示される人の性質(心の貧しい、柔和な、憐み深いなど)を備える人々への幸いが語られますが、7番目で初めて「平和を実現する(人々)」と、動詞で修飾される人々が登場します。そこには深い意味があります。すなわち、平和は静止しているものではなく、むしろ動的なものであり、それは争いの後にやってくるのではなく、逆にその前に来るもの、すなわち争いに先んずるものなのです。
教会は、「キリストによる平和」をこの世界に向かって宣べ伝えます。それはイエス・キリストの十字架の死によって実現した神と人との和解の出来事をこの世に伝える働きです。罪を赦し、敵を愛するという人間にはできない和解の業を神の子であるキリストだけが、なし得たのです。
●8月10日 平和祈念礼拝 週報巻頭言 牧師 木村一充
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