✣ 彼女を記念して ✣
イエスは完結した思想を、人に押しつける形で教示することはしませんでした。
神の国のたとえや、それを示唆する象徴行動などに現れているように、相手に対する問いかけとして提示しています。しかもこの問いかけに対する答えを、自ら提出することはせず、それへの応答を相手に提示するように促すのが、イエスの言行の特徴なのです。
イエスの言葉や行動に関する伝承は、おそらく生前のイエスの問いかけに対する応答として言い伝えられたのであり、福音書記者たちも、彼らが採用した福音書を介して、問いかけるイエスに対する応答の業として、それぞれの福音書を編んだのです。
だとすれば、福音書の読み解きもその過程において、出会うイエスの問いかけに対する応答の試みということになるでしょう。
必然的に、問いかけるイエスに出会っていただきたいし、できれば一人ひとりが自らの主体性と責任において、イエスの問いかけに応えて欲しいと願っています。
●5月16日 週報巻頭言 教会員 W.E.
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