✣ 平和があるように ✣
「平和の像」「平和公園」など、「平和」がついた物の名前や場所、あるいは言葉が沢山あります。みなさんは、「平和」ってどういう状態をいうのですか、と質問されたらどのように答えますか。戦争と対になっているイメージがあるので「戦争のないこと」という答が多く返ってきそうですが、そう答えながら、それではちょっと不十分だとほとんどの人が思っているはずです。
「平和」という言葉の響きは耳に心地良く、気持ちのよい感覚を共有できますからいろいろなところに気安く使われていますが、実は別の言葉で具体的に表現するにはなかなか難しい抽象語です。
イエスさまは、弟子たちを、福音を伝える者として派遣される際に、訪ねた家に入る時「平和があるように」と挨拶をしなさい、と言われました。ユダヤの挨拶の言葉は「シャローム」です。「シャローム」は、人間が至福だと思うすべてのものが完全であることを意味しています。社会的にも、自己の精神においても、安らかな状態をいうのです。
私たちは今、コロナ禍の中にいて、それぞれが不安を抱えて生きています。と同時に、ひとりの人間のかけがえのなさは神の愛の中にあることも知っています。「シャローム」隣人と痛みを共にしながら、真の平和を祈って考える時なのでしょう。
●1月31日 週報巻頭言 教会員 S.M.
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