✣ 痛みに共感する ✣
このところまた新型コロナ感染拡大が心配されている。先週、これまで感染者ゼロを続けていた岩手県で初の感染者が報告された。5月に県知事が、「感染することは悪ではない」「第1号になったとしても、県はその人を責めない。第1号の患者さんについては、特に丁寧に優しく対処して、命と健康を守るようにしたいと思うし、県民の皆さんに対しても、第1号の陽性者、患者さんについては、お見舞いの言葉を送ったりとか、気持ちの中だけでも優しく接してあげてほしい」とメッセージを発信していた。にもかかわらず、初の感染者が報告されると、匿名掲示板やSNSを通して、感染した方や、行政への誹謗中傷が始まったという。心無い誹謗中傷の背景に何があるのか、専門家ではない私には何とも言えないが、こういったことは、個人の問題というよりは、私たちの社会の価値観が生み出す構造的な問題ではないかと思う。
イエスは、人々の悲しみや苦しみを見て、「はらわたがちぎれる」思いに駆られた、と聖書は伝えている。悲しんでいる人、苦しんでいる人、弱っている人、差別され排除されている人などの痛みや苦しみに深く共感し、寄り添って歩まれたイエス。いのちが大切にされ、皆が幸せに生きられる社会となることは、誰よりも主が願っておられること。その願いを私たちの願いとし、感染者のために祈り、福音宣教に仕えていきたい。
●8月2日 週報巻頭言 牧師 村上 千代
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