✣ 和解 ✣
ヨセフ物語は50章まで続きますが、分級での学びは今日の45章が最後になります。この物語のキーワードの一つは「夢」。ヨセフは、親元にいた時に夢を見ます。収穫の時、兄たちの束が自分の束の周りに集まってきてひれ伏したという夢、太陽と月と11の星が自分にひれ伏した夢です。父も母も兄たちもヨセフにひれ伏すという夢に兄たちは怒り、父親に特別扱いされるヨセフへの妬みも重なって、ヨセフは兄たちにエジプトへ売られてしまいます。エジプトでの奴隷の生活から、えん罪で囚人の生活へと状況は悪くなるばかりでしたが、いつも「主が共におられ」ました。そして今や大臣の座に。といっても、これは彼の出世物語ではありません。かつては自分の能力を誇っていたヨセフでしたが、苦難の中で神に信頼して生きる者へ、夢の解き明かしを「神がなさること」と、信仰を告白する者へと変えられた話だと言えます。
飢饉が深刻化し、食料調達のためにエジプトに下ってきた兄弟たち。彼らは、目の前にいるその大臣がヨセフだと気づきません。とうとうヨセフは自分の身を明かし、そこで兄たちとの「和解」の出来事が起こったのです。ヨセフは、この一連の出来事を通して、かつて見た自分の夢は、成功物語だったのではなく、神の働きによる「和解の夢」だと気づかされたのかもしれません。
●8月25日 週報巻頭言 牧師 村上 千代
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