イエスのグリーフケア

投稿日時 2019-02-02 13:59:55 | カテゴリ: メッセージ

✣ イエスのグリーフケア ✣

   ルカによる福音書には、愛するわが子の死を嘆き悲しんでいる親が、7章と8章に登場する。今日の7章は、息子を亡くしたやもめ(寡婦)であり、8章は、娘を亡くした父親、会堂長のヤイロ。親にとって愛するわが子の死は耐え難い悲しみである。
   ヤイロは、死にかけていた娘を助けてもらおうと、必死の思いでイエスのところにやってきて、イエスの足元にひれ伏し、自分の家に来てもらいたいと願い出た。そしてイエスはその願いに応え、娘は救われた。
   今日の聖書のやもめは、ヤイロとは対照的で、社会的な地位もなく、名前も記されない貧しい女性であり、言葉も奪われているのか一言も発していない。そこにあるのは、彼女の深い悲しみと沈黙のみ。イエスは、その女性を見て、憐れに思い「もう泣かなくてもよい」と言われた。「憐れに思い」は、岩波訳では、「断腸の想いを覚え」となっている。主は、深く悲しむ彼女に目を留め、自分のはらわたがちぎれるほどの想いを覚え、彼女の悲しみをご自分のものとしてくださった。彼女が何も言わなくとも、すべてをご存じのイエスがご自分から彼女に近寄ってくださったのだ。イエスこそ人の深い悲しみ(グリーフ)に真に寄り添ってくださる方。私たちが悲しみに沈黙する時、既に傍らにおられるのだ。

●2月3日 週報巻頭言  牧師  村上 千代






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