✣ 神はわがやぐら ✣
『旧約聖書一日一章』著者の榎本保郎氏は、詩編46編のメッセージで、マルティン・ルターについてこのように書いている。
「彼の宗教改革は決してスムーズに行ったわけではない。終始誤解され、そのため多くの人からののしられ、悪魔呼ばわりまでされた。時には彼の心は、すっかり滅入ってしまった。妻が彼の部屋に喪服ではいっていき『神がなくなりました』と言ったおかげで、彼の心に再び光が与えられたこともあった。それほどにルターの苦悩は大きかったのである。」
宗教改革の中心人物であるルターは、その困難の中で、詩編46編を絶えず口ずさみ想を得て「神はわがやぐら」を作詞作曲した。この賛美歌はルターの最もよく知られた賛美歌で、日本の教会でもよく用いられている。ちなみに、日本バプテスト連盟発行の『新生讃美歌』にも取り上げられており、私たちにもなじみ深い。
詩編46編を絶えず口ずさみ、救いの光を見い出したルターの信仰告白とも言えるこの賛美歌。苦難の中にあって、神が避難所となってくださり、盾となってくださり、共にいてくださるという確信をもち、神に信頼して生きる時、私たちに恐れはないのだと励まされる。
●10月21日 週報巻頭言 牧師 村上 千代
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