✣ アブラハムのこだわり ✣
イスラエルの族長アブラハムは、イスラエルの信仰の父と仰がれ、その妻サラは、信仰の母と呼ばれています。そのような二人ですが、100点満点の人物ではなさそうです。
アブラハムは、エジプトで、自分の身を守るために妻を自分の妹と偽る浅はかな手段を考え、サラもそれに同意しました。彼女はアブラハムの異母妹で「妹」には違いないのかもしれませんが、彼の正式な妻。夫からの提案とはいえ、二人で神に背きました。またサラは、「アブラハムから生まれる者が後を継ぐ」という神の約束を信頼できず、アブラハムの後継者を得るために仕え女(女奴隷)のハガルを利用し、抑圧しました。人間の愚かさ、罪深さ丸出しの二人が、なぜ信仰の父、信仰の母なのか、この世的には理解し難いことかもしれません。しかし、これが神のご計画の不思議なのです。神の選びは、人物的に非の打ちどころがないとか、優秀であるとか、力があるとか、そういったことが基準ではないことを、聖書の物語は示しています。
アブラハムは主の言葉に従って父の家を離れ、未知の世界へと旅立ちました。退路を断った彼は、息子イサクの「嫁」探しにおいて、息子を故郷に戻すことにはキッパリと否を言いました。神に信頼するアブラハムの姿を見ることができます。
●8月19日 週報巻頭言 牧師 村上 千代
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