✣ 反面教師バビロン ✣
「バビロン捕囚」(BC586〜538)は、今から2,500年余り前のイスラエルの民に降りかかった災難だけにとどまらない。科学文明の恩恵のなかに生きる、私たち現代人こそ、「バビロン捕囚」の真っ只中にあると言える。「バビロン」は、神の言葉に耳を傾け神に向かわせようとする心を閉ざさせ、失望させ、神を見失わせるものの象徴だからである。私たち、特に現代の多くの日本人は、神無しでも結構楽しく、面白く暮らしている。神を必要としない風潮が、大手を振っている状況にある。
しかし、神はその大きな愛を以って私たちにかかわろうとされる。それは私たちが、滅びの民となってはならない、神の造られた、神にあって大切なかけがえのない存在だから。ゆえに「バビロン捕囚」は、私たちにとっても必要悪、反面教師として位置づけられる。それは、私たちにとって「試練」でもある。神から離れようとする誘惑・罪に対して、自らを省み、神に立ち帰るべき「気づき」をもたらす大切な機会である。その気づきこそ、主イエスの苦しみ・愛の深さを覚えるときだ。神の配剤に感謝、感謝。
●3月25日 受難週 週報巻頭言 齋藤 隆(前・逗子第一教会 牧師)
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