✣ 父よ、彼らをお赦しください ✣
イエス様は十字架上で七つの短い言葉を発せられました。受難週を前にして、改めてそれらの言葉を聞きたいと思います。最初の一言は「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」というものでした。苦悶のうちに血が流れ、やがて死を迎えようとしているその瀬戸際に、父なる神へ向かってのとりなしの叫びでした。 彼らとは十字架へ追いやった世の敵対勢力だけではなく、神の被造物である私たち全ての人間を指していると思います。父なる神と人の狭間に瀕死の身を置いて、自らの命を犠牲として捧げることにより、造り主との応答に生き得ない人の罪を許してください…との祈りでもありました。
産業や科学技術の発展が著しい現代において、神とイエスキリストに対する無関心、あるいは神など必要としない驕りが、蔓延しているように感じます。むさぼりや力の支配を強める姿には、「自分が何をしているのか知らない」という十字架上の言葉が、今を生きる全ての人に向かって発せられているように思います。とりなしの犠牲により、私たちは赦される。その恵みの声に耳を傾けたい。そして具体的な生き方、何がみ旨にかなうあり方なのかを模索したいと願います。
●3月18日 週報巻頭言 教会員 渡辺 光雄
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