✣ イエスのまなざし ✣
十字架にかけられる前にイエスさまが滞在されたエルサレムでは、入れ代わり立ち代わり律法学者らと問答が交わされ、本日の聖書箇所(マルコ12章35〜44節)で、イエスさまは律法学者らの教えやその振る舞いを否定したうえで、「このような者たちは、人一倍厳しい裁きを受けることになる」と手厳しく批判します。また、イエス一行のエルサレム入城後の律法学者と、その背後にいるユダヤ教の各宗派からは、イエスさまに対する「恐れ」がありありとうかがわれます。
対してイエスさまは、神殿の中で献金をしていく群衆の中から、たった2枚だけの銅貨を入れた1人の貧しいやもめの女性を見出し、「この貧しいやもめは、賽銭箱に入れている人の中で、だれよりもたくさん入れた」とおっしゃいました。
この「権威を持つ」とされていた律法学者らからイエスさまに向けられた「恐れ」のまなざしと、社会的地位が低く貧しいやもめの女性に対してイエスさまが向けられた情け深いまなざしの違いは、いったいどこからくるのでしょうか。
本聖書箇所の前後の文脈と、時代背景を総合的に検証し、世俗的な観点も踏まえながら、皆様とともに考え、そこから発せられるメッセージを読み取りたいと思います。
●3月4日 週報巻頭言 教会員 T. Y.
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