✣ しずかな、やわらかな心で ✣
小学生のころ、クリスマスのたびにぎもんに思っていたことがありました。「イエスさまがお生まれになったとき、『おびただしい天の軍勢(ぐんぜい)が現れ…』と聖書には書いてあるけれど、そんな大変なことに、どうして数人の羊かいたちしか気づかなかったのだろう?」と。空をおおうほどの天使たちを思いながら、教会のクリスマス会でもこの聖書のかしょを読んでいたことをおぼえています。
そんなわたしも高校生になりました。クリスマスイブの夜、眠りにつこうとしたときのことです。わたしはまっくらな音のない自分の部屋のベッドの上でひざに両手をおき、それをのぞきこんでいます。最初は手のひらにひらひらと雪がまっているのかと思いました。よく見ると、それはたくさんの天使たちで、あるものは角笛をもち、あるものはおどり、にぎやかにおいわいをしているのです。そこでわたしは目を覚ましました。夢でした。暗いてんじょうに向けて思わずのばした手のひらに、はっきりと天使たちがいた感しょくが残っていました。
そのときわたしは小さいころからのぎもんが少しわかった気がしました。自分のところにも「天の軍勢」は来て、イエスさまのおたんじょうをおいわいしていたけれども、わたしのまわりやわたし自身がうるさすぎたり、明るすぎたりして、気がつかなかっただけではないのかしらと。
●12月17日 第3アドベント合同礼拝 週報巻頭言 教会員 入江 恵里子
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