✣ 虹〜契約のしるし ✣
大洪水後、神は、箱舟から外へ出たノアを祝福して告げました。【…雲の中にわたしの虹を置く。これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる】(創世記9:13)。ノアの物語は、神の民へ【虹】の意味を伝えます。
近代科学は【虹】の謎を解明しました。
『雨上がりなどに、太陽と反対側の空中に見える七色の円弧状の帯。大気中に浮遊している水滴に日光があたり、光の分散を生じたもの。外側に赤色、内側に紫色の見える主虹のほかに、その外側に離れて色順を逆にする副虹が見える』(広辞苑より)。
【虹】についての科学的説明も大切ですが、ノアの物語が、神を信じ、神と共に歩む人々へ伝えようとしている“メッセージ”を読み取れなければ意味はありません。
ここに描写された【虹】は、すべての被造物を対象とする“神の恵み(恩寵)”のしるしです。今後、洪水によって被造物を絶滅させることはない。雲の間に見える【虹】は、神から被造物へ一方的に与えられる“恩寵”をあらわすしるしだ、というのです。
この物語を新約聖書の光のもとで読むと、【虹】と“キリストの十字架”は神の絶対恩寵という点で重なります。人が「罪」を自覚する前から“神の恩寵”はある。この招きへの応答が神に義とされたノアの信仰です。
●8月20日 週報巻頭言 牧師 山田 幸男
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