✣ 安息の意味 ✣
創世記2章は、天地万物の創造を完成した神が、第七の日に【安息】したと伝えています(2:1-3)。旧約聖書を正典とするユダヤ教では金曜日夕方から土曜日夕方まで(実質的には土曜日)を【安息日/シャバット(あんそくび)】として、今も守り続けています。
旧約聖書に記されたイスラエルの民(ユダヤの民)の歴史をよく読んでみると、民が【安息日】を守ったというよりも、【安息日】が民を守った物語が多くあり、はっとさせられます。
七日を一週間の単位とする習慣は、太陰暦(月の満ち欠けによる時間概念)を既に採用していたメソポタミア文明が、古代ユダヤ人の生活や伝承に影響を与えたという説もあります。
第七の日は、神が仕事を休んだように、人も仕事を休む。あらゆる仕事を一時やめる。こうして、人は、神が創造した世界の中で、生かされていることを感謝する。そのために“時間”を取り分ける。聖書独自の世界観です。ここに【安息】の意味があります。
新約聖書では初代教会時代に【キリスト復活】を記念する「週の最初の日(日曜日)」を【主の日/主日】(黙示録1:10)と呼び、この日に礼拝を行うようになりました。【主の日】は人が神のもとへ立ち帰る日。人が神と共に、隣人と共に、新しい週の歩みを始める日。【安息】が実現される大切な日です。
●7月9日 週報巻頭言 牧師 山田 幸男
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