✣ 新しい生活 〜応答する信仰 ✣
「ローマの信徒への手紙(ローマ書)」は、1-8章が教理(人の罪と福音の力)、9-11章はイスラエルの選び(選民の堕落と異邦人の救い)、12章以降は新しい生活(神への応答)の順で記されています。この手紙を書いたパウロは、これを読む人々(元ユダヤ教徒、異邦人)が、“キリストに結ばれている”という前提で話を進めます。
12章以降は、“キリストに結ばれている”という要点を外して読むと「壁」に跳ね返されるかもしれません。パウロの論点は、信仰の目標ではなく“信仰の実”が実際に結ばれること。
12章冒頭で、パウロは“キリストに結ばれた人”に【自分の体を神に献げ】【心を新たにして神の御心をわきまえ】【慎み深く生きる】ように勧めます。神の恵みに“応答する心”を持ちなさい。これが“新しい生活”です。
人の知恵や力では達成不可能でも、“キリストに結ばれた人”が“神の絶対恩寵(光)”に包まれるなら実現されるとパウロは語ります。
人は、礼拝に身を置き、聖書の言葉に養われ、祈ることによって、自分自身が更新され、キリストの似姿に造り変えられて行きます。
イースター後、50日目に起きた“聖霊降臨(ペンテコステ)”はパウロが語る“新しい生活”の証(実)です。人々は“恩寵(光)”の中で信仰の友らとの一体性、多様性、調和を備えたキリストの体(教会)を造り上げたのです。
●6月4日(ペンテコステ) 週報巻頭言 牧師 山田 幸男
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