✣ 大きな喜び ✣
マタイ福音書の冒頭の「イエス・キリストの系図」には、馴染みの薄いカタカナ名が羅列されています。聖書を読む人は、この「系図」に躓きます。そもそもマタイ福音書は、イエスさまが『救い主(キリスト)』であることをユダヤ人へ伝えるために記された書物です。ユダヤには、救い主はダビデの子孫から誕生するとの預言がありました。
著者マタイは、イエスさまが預言された『救い主』であることを証明するために「系図」を最初に記しました。「系図」はイエスさまがダビデの子孫であるだけでなく、イスラエル(ユダヤ人)の始祖アブラハムに至ることを示しています。『救い主』を待ち望む人々に、旧約聖書と新約聖書が堅く結ばれていることを知らせたのです。
更に、「系図」は当時の人々が越えられなかった「壁」を粉砕し、すべての人に与えられる『大きな喜び(福音)』を伝えています。
1)選民(神の民)と異邦人の壁を壊す
…系図に異邦人の名があります。選民も異邦人も、神に従う者を神は祝福します。神は差別しない。差別の壁は「人の心」にあるのです。
2)男と女の壁を壊す
…4人の女性の名があります。神の愛は「男尊女卑」の壁を砕く。男も女も、神には「大切な器(存在)」です。
3)義人と罪人の壁を壊す
…神の救いの目的は、義人を招くことではなく、罪深い者を招き、「新生・聖化」することです。
●12月4日 週報巻頭言 牧師 山田 幸男
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