✣ 勝利の幻を見た ✣
預言者エゼキエルは、バビロン帝国によって破壊されたエルサレム神殿が新設される幻を見ました(エゼ40:1-44:3)。彼は人々の不信仰(神に背を向けた歩み、偶像礼拝、不品行)のために神殿から離れた“神の栄光”が、将来再建される神殿へ、再び戻って来ると預言しました。
“神の栄光”とは、旧約聖書を理解する大切な概念です。旧約の世界では、神は自然現象(嵐、雷、火山噴火、恐るべき声)と関連して人々に接しています。モーセの時代、“神の栄光”は「威厳と力と祝福、聖別の恵み」によって“幕屋”を満たしました。
王国時代初期には、モーセの十戒を刻んだ石板を収納した“神の箱”の置かれた場所に“神の栄光”があるとされました。
ソロモン王の時代にエルサレム神殿が献堂されると、“神の箱”が奉納され、“神殿”が“神の栄光”の場所とされました。更に“神殿”で行われる“儀式”が“神の栄光”に結びつき、“神の栄光”と“礼拝(神の臨在)”は密接な関係を持つようになりました。
バビロン捕囚時代、預言者エゼキエルは“神の意志”を可視的幻として受け、捕囚下の人々に破壊された神殿が再建されること、必ずエルサレムへ帰還することを告げました。
ところが、エルサレム崩壊を嘆く当時の捕囚民にとって、預言者が語るメッセージは夢物語でしかなかった。現実に心を奪われて礼拝の恵みを忘れていたのです。
●10月30日 週報巻頭言 牧師 山田 幸男
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