✣ 大切なことがある ✣
ある日、アハブ王は宮殿近くの「畑」に目をとめます。そこは町の指導者の一人ナボトが所有する「ぶどう畑」でした。
王はナボトに話を持ちかけます。
「私は野菜畑をつくりたい。あなたが所有するぶどう畑を譲って欲しい。代わりにもっと良い土地を与える。あなたが望むなら、納得できる代金を支払う。」
ところがナボトは、あれは先祖伝来の「嗣業の土地」なので譲れませんと言いました。
かつて、エジプトで奴隷状態にあったご先祖が、エジプト脱出後40年を経て神さまから与えられた“約束の土地”なので、王に懇願されても譲れないと断ったのです。
アハブ王は落胆します。しかし、王妃イゼベルは諦めません。町の有力者に働きかけて裁判に訴えます。人を雇って「ナボトが神と王を呪った」と偽証させ、ナボトを死刑にします。こうして《ナボトのぶどう畑》は合法的に王のものになりました。
そのとき預言者エリヤが登場します。エリヤは、王と王妃に対して【主の目に悪とされることに身を委ねた】(列王上21:20)と語り、「悪行」を暴き、「神の裁き」を宣告します。欲望を満たすためなら何でもありを通した自分勝手な権力者は、自ら蒔いた種を刈り取ることになるのです。
●8月28日 週報巻頭言 牧師 山田 幸男
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