✣ 王子の反逆 ✣
ダビデ王の子どもたちの間に、とんでもない事件が起きました。長男アムノンが異母妹タマルを辱(はずかし)めたため、彼女の実兄・三男アブサロムは、長男を憎み、羊の毛を刈る祝いの席で部下に命じて兄を殺害した。この事態に父ダビデは怒りました。
しかし、子どもたちの「罪」を断つ手立てをしなかった。ダビデ王家は“罪の悔い改め”を強制しない教育(子育て)を選んだようです。親が信仰の人なら、子どもは悔い改めるだろう…。王子なら、自然に信仰を持つものだ…。父ダビデも側近も、誰もが、期待しました。でも、それは幻想でした。
信仰は遺伝しない。親は意識して伝えるべきことを伝えないと、子どもたちは信仰を持つようにはなりません。旧約聖書に記された“信仰の民”の歴史を探ると、次世代への“信仰継承”を怠った時には国家的危機に直面しています。現代も例外ではありません。「罪」は小さいうちに解決しないと、必ず大きな「悲劇」を招きます。
王子アブサロムは“悔い改め”のないまま、父ダビデの温情に便乗する。自分が王になる準備を密かに進め、ついに謀反(クーデター)を実行します。こうして、王子が抱えていた「未解決の罪」は、すべての国民を巻き込む「悲劇」へ発展します。
●7月17日 週報巻頭言 牧師 山田 幸男
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