✣ 神に選ばれた人 ✣
旧約聖書には、新約聖書に無い面白さがあります。その一つは単純素朴な信仰です。あまりにも単純すぎて聡明な人には物足りないかもしれません。しかし、単純で素朴な信仰の物語こそが、私たち現代人が忘れれている“何か”を思い起こさせてくれるのです。
きょうの聖書(サムエル上16章)は預言者サムエルが少年ダビデに“油”を注いだ物語です。“油”を注がれるのは、旧約聖書の世界では神に選ばれた“しるし”です。ダビデには7人の兄がいました。なぜ、神さまは立派に成長した兄たちではなく、未熟な末っ子のダビデに目をとめたのでしょうか?
聖書の中に答えがあります。
【…主はサムエルに言われた。「容姿や背の高さに目を向けるな…人は目に映ることを見るが、主は心によって見る」】(16:7)。
【心によって見る】とは、神さまに対して、心底へりくだり、本当に従順になれるのか、そこを見るというのです。
先代のサウル王は、神さまの命令で王位から退けられました。彼は当初、神さまに従順でしたが、次第に傲慢になり、自分を誇り、勝手に振る舞う人になっていました。一方、若くて未熟なダビデは神さまに聞かなければ何も出来ません。ダビデの信仰姿勢は生涯を通して一貫していました。良い時も悪い時も、御言葉に聞く。
●6月5日 週報巻頭言 牧師 山田 幸男
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