✣ 弟子の足を洗う ✣
イエス様が十字架にはりつけにされて殺される前の晩の夕食時のことです。イエス様は突然食卓を立たれ、弟子たちの足を洗い始めました。当時、人の足を洗うのは奴隷の仕事であり、誇り高いユダヤの民が最も忌み嫌う仕事でした。弟子たちは大いに驚き、その筆頭であるペテロは「私の足など、永遠に、決して洗わないで下さい」と叫びました。それほど衝撃的な出来事だったのです。
イエス様のこの行為が、単に謙遜と友愛を倫理的・道徳的に教えるだけのものなら、ペテロのこの発言をもって、弟子たちにその意図は十分に伝わったはずです。しかし、イエス様は「もしわたしがあなたの足を洗わないなら、あなたはわたしと何の関係もないことになる」とおっしゃいました。そして、ペテロの足を洗い、すべての弟子の足を洗われたのです。
この物語には、イエス様が私たち一人一人と向き合い、一人一人のために最も低いところまで降られるという、十字架に向かわれる御子にしかおできにならない、大切な意味が込められています。イエス様は、私たち一人一人と向き合い、重荷を負い、罪を贖い、私たち一人一人を永遠のいのちへと導いてくださるのです。その御恵みをヨハネ福音書からじっくりと味わって参りましょう。
●2月21日 週報巻頭言 教会員A
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