✣ 神に食い下がるモーセ ✣
モーセの冷静で適切な交渉(執り成しの祈り)によって、神さまはイスラエルの民を滅ぼし尽くすことを思い直されました。神さまはかつて民の先祖(族長・アブラハム、イサク、ヤコブ)に約束したとおり、カナンの地を与えるとモーセに告げます。先祖と神さまが交わした“アブラハム契約(土地を与える、子孫を増やす、民は祝福の礎となる)”は、神さまが無条件で与えたものです。途中で破棄されることはありません。
シナイ山でモーセが授かった“十戒(信仰者の行動基準)…シナイ契約”は、本来、神の民の祝福を保証するものでした。しかし、彼らの不信仰(約束を守らない)によって、無条件で与えられた“アブラハム契約”は雲がかってしまいます。神さまはモーセに、「民を約束の地へ導け。しかし、裁きの日に彼らをその罪のゆえに罰する」(出エジプト記32:34)「民がかたくななので、旅の途中で彼らを滅ぼしてしまうかもしれない。だから、民と一緒にいかない」(33:3)と告げます。一方、民には、「直ちに、身につけている飾りを取り去りなさい」(33:5)と悔い改めを強く求めます。民は飾りをはずして悔い改めを表します(33:6)。この後、神の人モーセは、神さまが民と共に行くように交渉。執り成しを成立させます。
●9月13日 週報巻頭言 山田 幸男
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