✣ 十戒と十字架 ✣
モーセはシナイ山で神さまから“十戒”を授かります。この出来事は民族宗教としてのユダヤ教成立の起点を伝えています。
私たちキリスト者は、“モーセの十戒”を窮屈な戒めと感じ、どちらかというと、あまり聞きたくない御言葉に分類してしまうのではないでしょうか。「〜ねばならない」「べきだ」と押しつけがましく命じる戒めを、“喜びの福音”として受けとめられる人がいたら、牧師の私も、ぜひ弟子入りさせて欲しいものです。“十戒(シナイ契約)”は何を教えているのか? 諸説あるところですが、答えの一つは旧約聖書時代に生きた「信仰者の行動基準」を教えるものだということです(不信仰はシナイ…だからシナイ契約?)。白髭のおじいさんが子や孫たち(次世代のイスラエルの民)に、神さまに従う生き方の基本(十戒…契約)を教えます。
これを正しく理解する鍵は、出エジプト記19章にあります。出エジプトを体験した人々を、神さまが祝福する三つのキーワードに注目してください。【あなたたちは…わたしの宝となる…祭司の王国、聖なる国民となる(19:5-6)】。“十戒”を実践することは旧約時代の人々の信仰表現でした。では現代のキリスト者の信仰表現とは…? キリストに向き直り、神と人とを愛することです。“十戒”は“聖霊の力”で今も実現されます。
●8月30日 週報巻頭言 山田 幸男
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