✣ 聖霊の追い風に乗って ✣
使徒パウロの“ローマへの旅”は思いがけないことの連続でした。エルサレムでは、濡れ衣を着せられて裁判にかけられます。パウロは囚人としてカイサリヤからローマへ船で護送されます。神さまから“ローマで証しせよ”とのビジョンを受けて、神さまに従ったにもかかわらず、“ローマへの道”は厳しい試練の連続でした。
ローマへ向かう船は嵐に巻き込まれて難破します(使徒27章)。流れ着いたマルタ島では蝮(まむし)に咬まれ、伝染病の危険に直面します(使徒28章)。しかし、聖霊に満たされた使徒パウロは、この危機を突破します。迷信を恐れる人々に“キリストの平安”を、病に苦しむ人々には“キリストの癒し”を与えました。パウロが携えていた“キリストの愛”は、旅行カバンの中に仕舞い込まれたままローマへ運ばれたのではありません。そうではなく、道々、出会う人々に分け与えられ、多くの人々と喜びを共有しながらローマへ届けられたのです。
私たちは、“ビジョン”のゴールを急ぎ、一分一秒でも早くローマへ到着しようとあせります。しかし、使徒パウロは違う。慌てません。彼はいつもと変わらない歩調で前進します。“神の計画”故、聖霊の風に乗って(導かれて)行くのです。
●5月31日 週報巻頭言 山田 幸男
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