✣ 恐れから喜びへ ✣
神殿で務めをしていた祭司ザカリアの前に天使があらわれました。驚き戸惑う祭司に、天使は「恐れるな」と語ります。
「恐れるな」。この言葉は新約聖書のキリスト降誕物語に関わる記事に必ず出て来ます。マタイ福音書ではヨセフに、ルカ福音書ではマリヤに、羊飼いたちにも天使が「恐れるな」と告げています。神さまの出来事は、人の知恵や力を超えた所から来るので、居合わせた人々は圧倒され、どうしても恐れてしまうのです。
ザカリアは、「あなたの妻は男の子を生む」との天使の宣言を信じることができず、口が利けなくなってしまいます。しかし、天の声を信じなかった彼を非難できるでしょうか。彼の妻エリサべトは、「不妊の女で…既に年をとっていた」(ルカ1:7)とあります。そうした現実を無視して、天使は大真面目に祭司ザカリアに告げるのです。
私たちは、この話の結末を知っています。そこに“神の計画”がありました。洗礼者ヨハネの誕生です。生まれて来る男の子には特別な使命がありました。その子は老夫婦の所有物ではありません。その子は、人々を神に立ち帰らせるために“神の計画”で世へ派遣されました。「恐れるな」の声は“神の祝福”が始まる合図でした。
●12月7日 週報巻頭言 山田 幸男
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