✣ ゆだねることを知る ✣
人生にはしばしば「転機」が訪れます。進学、就職、結婚、転勤、出産、子どもの独立、定年退職、親族の死など、人生をゆさぶる出来事は、私たちの前に次々と立ちはだかります。でも、こうした「転機」が平凡な毎日に刺激を与えるのも事実です。
今、礼拝説教では『創世記ヤコブ物語』を取り上げています。信仰の人ヤコブも「人生の転機」を度々経験しています。彼は伯父ラバンのもとで20年生活しました。この間に結婚、子宝にも恵まれ、豊かな財産を持つようになりました。
そんなある日、神の言葉が突然ヤコブに臨みます。『主はヤコブに言われた。「あなたは、あなたの故郷である先祖の土地に帰りなさい。わたしはあなたと共にいる。」』(創世記31:3)。ヤコブは神の導きを信じて直ちに伯父のもとを離れ、逃げ去るように郷里へ向かいます。その頃ヤコブとラバン家の間には財産争いが起きていたので、ヤコブにすれば都合のよい神の導きでした。
ところが、郷里へ向かうには大きな問題がありました。兄エサウとの再会です。20年前、ヤコブは兄を騙し、神の祝福を奪って逃げた。忘れかけていたイヤな現実が日増しにヤコブを苦しめます。しかし、彼はこの現実に立ち向かうのです。
●9月14日 週報巻頭言 山田 幸男
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