力の秘密
投稿日時 2012-05-21 22:40:46 | カテゴリ: メッセージ
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【力の秘密】士師記16:15-31
士師記を読んでいると、いったいどうであれば「士師」と認定されるのか、その資質についての基準がさっぱりわからなくなる。
ふつう、民を導いた指導者というのであれば、信仰深いとか、誠実だとか、謙虚だとか、何かあるだろう。しかし、士師と呼ばれた人たちのそういう点について、聖書はまるで興味がないようだ。ギデオンは笑ってしまうほど臆病だし、エフタはしなくても良い願掛けに娘の命を張ってしまうようなばか者だ。サムソンにいたってはどうにもならない乱暴者で好色家。だから、イスラエルの民を他民族への隷属状態から救い出したのは士師であり、士師なのだから資質があったのだ、という思考を捨てるしかない。
そうではなく、異境の偶像崇拝に溺れ、その結果として苦境にあえぐイスラエルを見捨てず、助けたもうのは主なる神であること。しかも主なる神は、人間が知る由もない方法で布石を打ち、その御業を静かに潜らせ、予期せぬ時に、予期せぬかたちで解放の業を爆発させる。
その神の自由で不思議な業の、その不思議さを指し示す役目を負わされているのが士師であると考えるべきだろう。
●5月20日 週報巻頭言 吉高 叶
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